2013年11月22日金曜日
農家の喜び
自分の生命線はものの良さだと肝に据えながらやっています。
就農時、直販やマーケットの時間や手間を取ることで野菜の品質を上げることが自分は
困難だと考え、卸の販売形態に身を置きました。
生産団体の中で決まった規格、決められた時期に、良い商品を鮮度よく出荷することに
集中してやってきました。
12年やってきて、思うことがあります。
おいしい良い野菜が正当に評価されていない。
一昔前は有機農業の世界では、ものの良さで価値を計ることは浅はかだと思われる空気が
ありました。
最近では商品の良さはあくまでも一部で、見せ方や伝え方に重心を置く傾向も強くあるように
思います。
卸の世界では、味の良さや出来の程度で価値を計ることより、出荷数や卸価格で判断される
ことが多くあります。
しかし、買い手と売り手との信頼関係の根本は、野菜そのものだと考えています。
手品のように価値のないものをあるように見せる売り方や、出荷数や低価格が重視される
ような価値の計り方は全体の価値を下げかねないと思います。
たかが野菜ですが私から見ればその中には大きなふり幅があります。
単純においしい人参もあればおいしくない人参もある。
おいしい人参とおいしくない人参とでは、食べる方にとっては価値は大きく違うはずです。
持ちのいい野菜がいいはずでしょうし、虫食いもない方がいいと思うでは当然でしょう。
そんな野菜の価値を見直すと、まだまだ野菜のポテンシャルを伝えきれていないと思います。
おいしい野菜ってあるんです。
「あなたのカブ、この時期に出てくるだよね。楽しみに待ってるよ」
と言っていただける期待に素直に答えていきたい。
おいしいと感じてもらえるように生産し、出荷することに喜びを感じられる農業ができるように
していきたいと思っています。
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